専門医によるピロリ菌外来
ピロリ菌について
ピロリ菌は幼少期の頃に井戸水などから経口感染し、持続感染によって「ピロリ感染性胃炎」「萎縮性胃炎」を引き起こします。胃炎の広がり、炎症の程度は個々で様々ですが、もっとも重大なリスクは、胃がん発生母地になりうることでしょう。ピロリ除菌治療が強く推奨される疾患を下に列挙します。
- ピロリ感染性胃炎(萎縮性胃炎)
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 胃過形成性ポリープ
- ピロリ関連の機能性ディスペプシア
- 胃食道逆流症(GERD)
- 早期胃癌に対する内視鏡的切除後
- 胃MALTリンパ腫
ピロリ除菌治療を保険診療として行う場合、胃内視鏡検査(胃カメラ)で「ピロリ感染性胃炎」「萎縮性胃炎」であることを確認し、さらには別途検査を行うことで、ピロリ菌感染の総合的な確定診断を行う必要があります。
当クリニックで採用しているピロリ検査方法は下記となります。
- 迅速ウレアーゼ試験(内視鏡検査中に採取した粘膜組織を用いて行う)
- 尿素呼気試験(UBT)
- 抗ピロリ血清抗体
治療後、除菌が成功したかどうかを判定する場合も上記検査を用います。なお、尿や便をサンプルとして用いた測定法も推奨されていますが、新型コロナウイルス感染症に対する員愛安全対策の一環として、当クリニックでは尿や便を用いた検査法は採用しない方針としていますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
一次除菌、二次除菌がダメでも三次除菌を
当クリニックでは、胃発がんリスク低下を目指す患者さん、消化性(胃・十二指腸)潰瘍のある患者さん、ピロリ菌感染が原因のために腹部症状を発している患者さんには積極的に除菌治療を行っています。
また、自費診療にはなりますが、保険外診療である「三次除菌」、希望によっては「四次除菌」まで行うことも可能です。対象となる患者さんは次の方です。
- 一次除菌、二次除菌でピロリ除菌が不成功に終わった患者さん
- 抗菌薬の副作用のため除菌治療を中止した患者さん
- ペニシリンアレルギーのため除菌治療ができなかった患者さん
なお、除菌が成功しても発がんリスクが決してゼロになることはありません。またすべての症状が除菌で解決するわけでもありません。したがって、当クリニックでは多角的なアプローチで除菌後の定期的な経過観察もしっかり行っています。また、三次除菌を行わない患者さんであっても、当クリニックでは定期的な内視鏡観察(サーベイランス)を行っていますのでご安心ください。
一方で、当クリニックは、通り一遍、ピロリ感染者全員が除菌すべき対象だとは考えていません。なぜならば、個人によってはピロリ菌感染によって維持されている免疫応答・生体機能もあるからである。したがって、例えばアレルギー疾患を有する若年者や80歳以上の高齢者の場合、除菌治療による利益・不利益を慎重に勘案しながら、より丁寧な診療に努めています。
ピロリ菌についてお悩みの方は、先ずは専門医のいる当クリニックを受診してください。
ヘリコバクター・ピロリ除菌治療レジメンについて
東京目白クリニックにおけるヘリコバクター・ピロリ除菌治療レジメンについてはこちらをご確認ください。