■ 消化器に関するあらゆる疾患に対して、学術・経験豊富な上級専門医が対応いたします。
■ 胃、大腸、食道、十二指腸 に関する「胃と腸」疾患の専門診療ならお任せください。
■ 肝臓、胆のう・胆管(胆道)、膵臓に関する「肝・胆・膵」疾患のことならお任せください。
■ 胃ピロリ菌感染、大腸ポリープ、胃食道逆流症、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群、慢性便秘症、胃切除後などの専門診療も行っています。
■ 肝機能異常、肝腫瘤、NASH/NAFLD(MAFLD)、脂肪肝、早期慢性膵炎、IPMN、膵のう胞性疾患、胆のうポリープ、胆のう結石などの専門診療も行っています。
■ 当クリニックは東京都「難病指定医療機関」です。主に潰瘍性大腸炎(炎症性腸疾患 IBD)の専門診療も行っています。
■ 外科学・腫瘍学・消化器病学の多角的なアプローチで専門診療を行っています。がんの早期発見に努め、根治的手術が必要な場合、各臓器領域のエキスパート外科医と迅速かつ密な連携体制を築いています。

あらゆる消化器症状・疾患に上級専門医が対応いたします

日常生活の中で、消化器のことでお悩みの方はたくさんいらっしゃいます。例えば、「胃が痛い」「お腹が弱い」「便秘で困っている」のように自覚症状がある方もいれば、症状がなくても「健康診断で肝臓の数値が高いから精密検査が必要だと言われた」「超音波検査で胆のうに胆石とポリープがあると言われて心配だ」「ピロリ菌がいると言われた」などです。ほかには、別の病院で検査を受けても異常がないと言われたが症状がよくならない、もらっているお薬が効いていない、診断に納得がいかない方々などもお気軽に当クリニックを受診してください。

東京目白クリニックの大場院長は、日本外科学会が認定する「外科専門医」、日本消化器外科学会が認定する「消化器外科専門医」、日本消化器病学会が認定する「消化器病専門医」、日本消化器内視鏡学会が認定する「消化器内視鏡専門医」それぞれの資格をすべて有しています。
したがって、外科学・腫瘍学・消化器病学の視点から、広く深く、多元的アプローチで専門的な診療を実践しています。
また、大場院長は専門医の育成・教育を担う「指導医」の資格までもすべて有していますので、より高度な診療を身近で受けることが可能です。
ほかには、日本肝臓学会が認定する「肝臓専門医」を有していますので、ご自身の肝臓のことでなにか心配事がありましたら専門的に対応いたします。

以上より、どのような消化器疾患・消化器病であっても、質の高い科学的根拠(エビデンス)をふまえながら、専門的かつ高度な診療を受けることが可能なクリニックです。

さらには、腫瘍外科学の専門医、腫瘍内科学の専門医として多くの高度ながん治療実践を積み重ねてきた実績があります。消化器疾患・消化器病のみならず、がん疾患(悪性腫瘍)に対して質の高いがん診療を行っています。

下記に列挙してあります消化器症状で何かお困りのことがありましたら、お気軽に当クリニックを受診してください。
典型症状と疾患の対応については、必ずしもあてはまらない場合が多々ありますので、あくまでもご参考程度としてお考えください。

東京目白クリニックは東京都の「難病指定医療機関」

当クリニックは、東京都の「難病指定医療機関」として認定されています。潰瘍性大腸炎(UC; ulcerative colitis)に代表される炎症性腸疾患(IBD; inflammatory bowel disease)や原発性胆汁性胆管炎(PBC; primary biliary cholangitis)、原発性硬化性胆管炎(PSC; primary sclerosing cholangitis)、自己免疫性肝炎(AIH; autoimmune hepatitis)などの指定難病にも専門的に対応しています。

消化器症状と疑われる疾患(受診を推奨)

症状例(1)

  • 咽喉(のど)や胸のつかえ感、痛み
  • 嚥下困難(飲み込みづらい)
  • 原因不明の咳症状
  • 胸やけ(ヒリヒリしみる感じ)
  • 胸が詰まるような痛み
  • 呑酸(酸っぱい胃液が上がってくる)
  • 嘔吐しやすい
主に疑われる疾患 隠れているかもしれない重篤疾患
胃食道逆流症(GERD) 胃がん
食道裂孔ヘルニア 食道がん
ピロリ菌感染 頭頸部がん(咽頭・喉頭がん)
機能性ディスペプシア 甲状腺がん
アカラシア 膵がん
胃切除後障害 消化管間質腫瘍 (GIST)
過敏性腸症候群 十二指腸がん

症状例(2)

  • 食後の胃もたれ
  • ゲップが気になる
  • 心窩部や胃の痛み(みぞおち周辺の痛み)
  • 心窩部や胃の灼熱感(みぞおちの焼けるような感じ)
  • 腹部不快感
  • 腹部膨満感
  • 悪心・嘔吐
主に疑われる疾患 隠れているかもしれない重篤疾患
感染性胃腸炎 胃がん
過敏性腸症候群 膵がん
ピロリ菌感染 大腸がん
アニサキス(虫体の寄生) 食道がん
慢性胃炎 十二指腸乳頭部がん
消化性(胃・十二指腸)潰瘍 卵巣がん
胃食道逆流症(GERD) 消化管間質腫瘍(GIST)
食道裂孔ヘルニア 胃悪性リンパ腫(MALT)
過敏性腸症候群 腹腔内腫瘍
薬の副作用 原発不明がん

症状例(3)

  • 腹痛(慢性的に繰り返す痛み)
  • 急性腹症(急に発生した強い痛み)
  • 原因不明の背部・腰部痛
  • 改善しない腰部の違和感(腰の重だるい感じ)
  • 腹部不快感
  • 腹部膨満感
主に疑われる疾患 隠れているかもしれない重篤疾患
急性胃炎 消化管穿孔
消化性(胃・十二指腸)潰瘍 腸閉塞(イレウス)
機能性ディスペプシア 重症急性膵炎
急性胆嚢炎・胆管炎 胃がん
急性膵炎 膵がん
慢性膵炎 胆管がん
急性虫垂炎 胆嚢がん
感染性胃腸炎 原発性肝がん
虚血性腸炎 転移性肝がん
大腸憩室炎 卵巣がん
潰瘍性大腸炎 子宮がん
クローン病 腹膜播種(ふくまくはしゅ)
過敏性腸症候群 原発不明がん
肝膿瘍 大血管疾患

症状例(4)

  • 吐血・下血(黒色便またはタール便)
  • 急性腹症(急に発生した強い痛み)
  • 改善しない悪心・嘔吐
  • 心窩部や胃の痛み(みぞおち周辺の痛み)
  • 継続する食欲不振
  • 倦怠感
  • 易疲労
主に疑われる疾患 隠れているかもしれない重篤疾患
消化性(胃・十二指腸)潰瘍 食道・胃静脈瘤
急性胃粘膜障害(AGML) 消化管出血
大腸憩室炎 出血性消化性潰瘍
胃食道逆流症(GERD) 胃がん
Mallory-Weiss症候群 食道がん
消化管ポリープ病変 膵がん
小腸潰瘍 大腸がん
Meckel憩室 原発性・転移性肝がん
潰瘍性大腸炎 膵がん
クローン病 十二指腸がん
虚血性腸炎 小腸がん

症状例(5)

  • 血便
  • 改善しない慢性的下痢
  • 改善しない慢性的便秘
  • 『便通異常』を自覚
  • 下痢と便秘を慢性的に繰り返す
  • 粘血便(粘液と血液が混じった便)
  • 慢性的に繰り返す腹痛
  • 『お腹が弱い』を常に自覚
  • 急性腹症(急に発生した強い痛み)
  • 繰り返す発熱と腹痛
  • 気になる肛門部症状(痛み、出血など)
主に疑われる疾患 隠れているかもしれない重篤疾患
感染性腸炎 結腸がん
虚血性腸炎 直腸がん
大腸憩室炎 腹膜播種(ふくまくはしゅ)
薬剤性腸炎 小腸がん
潰瘍性大腸炎 肛門管がん
クローン病 神経内分泌腫瘍・がん
過敏性腸症候群 子宮がん
肛門疾患(痔核・痔ろう・裂肛) 卵巣がん
肛門周囲膿瘍 原発不明がん
抗菌薬起因性出血性大腸炎 悪性リンパ腫

症状例(6)

  • 黄疸症状(眼が黄色い、皮膚が黄染して痒い、褐色尿、灰白色便)
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 糖尿病の悪化
  • 全身倦怠感
  • 腹部違和感・不快感
  • 心窩部の違和感・痛み
  • 背中、腰の重だるい感じ
主に疑われる疾患 隠れているかもしれない重篤疾患
胆石による閉塞性黄疸 膵がん
急性胆のう炎 胆管がん
急性胆管炎 胆嚢がん
急性肝炎 肝内胆管がん
非代償性肝硬変 原発性肝がん
自己免疫性膵炎 転移性肝がん
慢性膵炎 十二指腸乳頭部がん
薬剤性肝障害 胃がん
原発性胆汁性胆管炎 十二指腸がん
原発性硬化性胆管炎 悪性リンパ腫
IgG4関連疾患 原発不明がん

受診理由の多い主な消化器疾患について

ピロリ菌感染性胃炎の診断と除菌治療
当クリニックは、学術・経験豊富な上級専門医が担当していますのでご安心ください。
苦痛のない精密な胃カメラで、ピロリ菌感染性胃炎を正確に診断します。当クリニックでピロリ菌感染性胃炎の診断を受け、ピロリ除菌治療を受ける患者数は年間200人以上いらっしゃいます。
一次除菌・二次除菌で不成功となった場合でも、当クリニックでは三次除菌・四次除菌を自費診療で行っています。
ペンシリンアレルギーのために除菌治療の完遂ができなかった場合、ペニシシリン未使用の治療レジメンで除菌治療が可能です。
ピロリ除菌が成功した後の定期的な胃カメラによるフォローアップもお任せください。
胃食道逆流症(GERD)
GERD は gastroesophageal reflux disease の略称で「ガード」と呼びます。よく、検診の胃カメラで「逆流性食道炎」の有無を気にされる方がいますが、厳密には GERD=逆流性食道炎 ではありません。GERDは、「胃内容物の逆流によって不快な症状、あるいは合併症を起こした状態」と定義されています。
ちなみに、逆流性食道炎は、胃内視鏡検査でびらんと呼ばれる粘膜障害 (粘膜のキズ) を認めた場合の診断名で、「びらん性GERD」として扱います。
一方で、症状があるのに、胃内視鏡検査で粘膜障害を認めない場合、「逆流性食道炎は大丈夫」ではなく、non-erosive reflux disease: NERD 「ナード」もしくは「非びらん性GERD」 として扱います。この NERD の方が、薬の治療に反応しないケース、すぐには症状が改善しないケースが少なくありません。ほかの関連症状について、心臓疾患とは関係のない原因不明の前胸部痛、原因不明の慢性咳嗽 (せき)・喘息様症状、原因不明の咽頭・喉頭炎 (のど症状) などの中には GERD が原因となっているケースが少なくありません。
さらに、PPI (プロトンポンプ阻害剤) という酸分泌抑制作用のある胃薬が漫然と処方されていても一向に症状が改善しない「PPI 抵抗性 NERD」の存在にも注意を払う必要があります。
思い当たる症状のある方は、専門医のいる当クリニックを受診してください。
胃・十二指腸潰瘍(消化性潰瘍)
重篤なケースとして、出血性胃潰瘍・出血性十二指腸潰瘍があります。
最近では、ピロリ除菌治療の普及によって、消化性潰瘍の患者さんが減少してきていますが、除菌後やピロリ未感染の方にも潰瘍発生リスクはありますので、当クリニックではしっかりとフォローいたします。
ほかの要因として、薬剤起因の消化性潰瘍にも注意が必要です。
代表的な薬剤として、ロキソニンやボルタレンなどに代表される NSAIDs (非ステロイド性消炎鎮痛薬)、抗血栓薬、骨粗しょう症治療薬の常用による潰瘍発生リスクは無視できません。
ほかには、胃の手術を受けた方で残胃に発生する潰瘍が問題になることもあります。
消化性潰瘍のことは専門医のいる当クリニックを受診してください。
機能性ディスペプシア(FD)
いろいろ検査をしても明確な原因 (器質的疾患) がないにもかかわらず、腹部症状を訴え続ける患者さんは少なくありません。いわばストレス過多な現代病ともいえる機能性消化管疾患の一つが「機能性ディスペプシア(FD; functional dyspepsia)」です。中には、ピロリ菌感染や後述する「過敏性腸症候群」 とオーバーラップしている疾患群であることも理解しておく必要があります。
「ディスペプシア」とは、心窩部(みぞおち周辺部)痛や胃もたれなど、上腹部を中心とした有症状のことを指します。ほかにもディスペプシア症状として、腹部膨満感、ゲップ、食欲不振、悪心、心窩部の灼熱感など多岐にわたります。
気になる症状が継続している方は、専門医のいる当クリニックを受診してください。
過敏性腸症候群(IBS)
過敏性腸症候群(IBS; irritable bowel syndrome)のリスク因子として、女性、若年、不安や抑うつなどの心理的問題、感染性胃腸炎のエピソードなどが関与するといわれています。
実際の病態メカニズムはとても複雑です。現在判明している病態について、心理学的ストレス負荷と腸内細菌の相乗効果によって、腸管粘膜透過性の亢進を招き、さらに粘膜の微小炎症と神経の感作を招くことで、神経伝達物質と内分泌物質を介して内臓知覚が過敏となり、さらに不安が増し、下痢や便秘、腹痛などが生じやすい疾患だということです。したがって、消化器病としてのアプローチだけでは解決しないケースが少なくありません。
治療の目標は、患者さんご自身の主観として症状の改善を実感していただくことを目指します。中には検査を繰り返し、病院を転々とされている患者さんがいらっしゃいますが、当クリニックでは、質の高い科学的根拠 (エビデンス) に基づきながら、できる限り時間をかけた丁寧な診察を心掛けています。それでも、なかなか症状がよくならない方は、精神科・心療内科的なアプローチも必要になってきます。その場合、専門家への治療移行になることをご理解ください。
便潜血陽性
便潜血検査は、再現性の低い検査です。
例えば、早期大腸がんを有している場合、一度陽性と判定されても、再検査で陰性となることもあります。陽性と判定された方の中には、陰性になるまで検査を繰り返し、大腸内視鏡検査を避けようとする方もいるようですが、後になって進行大腸がんとして発見されてしまうと後悔先に立たずです。
また、2日法の便潜血検査で2回とも陽性と出た方は、大腸がんの発見リスクが約40%ほどであることもわかっていますので、大腸内視鏡検査を強く推奨いたします。
症状の有無によらず、便潜血検査で一度でも陽性と判定された方は、大腸内視鏡検査を受ける良い契機と考え、専門医のいる当クリニックを受診してください。
大腸ポリープ
大腸ポリープ診療で重要なことは苦痛のない内視鏡検査を行い、見逃しのない精密な観察です。そして、大腸ポリープを発見した際、それの切除適応と切除方法を的確に判断できる力です。
当クリニックは、学術・経験豊富な上級専門医/指導医が担当しますのでご安心ください。大腸がんリスクのあるポリープ(腺腫)は、微小なものでも見逃しません。
当クリニックでそのようなポリープ発見率は60% を超えており、年間で1000件以上の根治的な大腸ポリープ切除術を日帰りで安全に実践しています。ちなみに、重篤な合併症はゼロを維持しています。
潰瘍性大腸炎
主に潰瘍性大腸炎(UC; ulcerative colitis)に代表される炎症性腸疾患(IBD; inflammatory bowel disease)の専門的診療が可能な「東京都難病指定医療機関」として認定されていますので、安心して受診してください。
潰瘍性大腸炎は、直腸から連続的に大腸粘膜の炎症が発症し、しばしばびらん・潰瘍も形成する原因不明の炎症性疾患です。経過中に再燃と寛解を繰り返し、経過中にがん (colitic cancer) が発生するリスクもあります。潰瘍性大腸炎は、故・安倍晋三氏も患っていた疾患として認知されていますが、国内の有病者数は約22万人以上、毎年1万人以上が新たに発症していますので、決して珍しい疾患ではありません。
診断が確定しますと一生お付き合いをしていく良性の大腸疾患ですので、当クリニックでは慎重かつ専門的な診療を行っています。10代後半~30代後半の若年者に好発する疾患ですが、60歳以上で発症する場合もみられます。下痢、粘血便が2週間以上続く場合、あるいは腹痛や発熱症状を慢性的に繰り返している場合、潰瘍性大腸炎を疑って大腸内視鏡検査を強く推奨します。
なお、重症例や治療抵抗性の場合には入院治療が必要になってきますので、順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器内科と密な連携をとりながら対応いたします。
健康診断で肝機能異常の指摘
血清AST(GOT)値や血清ALT(GPT)値の上昇を認める疾患は多岐にわたりますが、AST>ALTの代表的肝疾患はアルコール性肝障害です。
一方で、AST<ALTの代表的肝疾患は、非アルコール性脂肪肝、ウイルス性肝炎、薬物性肝障害、自己免疫性肝疾患などです。甲状腺疾患や血液疾患などでも肝障害として指摘されることがあります。γ-GTPの上昇を認める代表的肝疾患はアルコール性肝障害、健康食品や漢方薬などによる薬物性肝障害、原発性胆汁性胆管炎、あるいは胆管結石症などです。中には悪性腫瘍(がん)が潜んでいるケースもあります。
健診で指摘される脂肪肝の患者さんの多くは無症状で、血清ALT値の上昇や腹部エコーでその存在が指摘されることがほとんどです。多くは、肥満、高血圧や糖尿病、脂質代謝異常などメタボリックシンドローム関連疾患が背景にあります。
常習飲酒者(日本酒3合/日以上、ビール500cc缶×3本以上)の場合の脂肪肝はアルコール性肝障害と判断され、肝硬変、肝がんに進行するリスクが高くなります。さらに、肥満がアルコール性肝障害を悪化させることも証明されています。
一方で、飲酒をほとんどしない脂肪肝 NAFLD(ナッフルディー)にも要注意です。将来的に NASH(ナッシュ)という非アルコール性脂肪肝炎へと進行する可能性リスクがあります。NASH は進行性で肝硬変や肝臓がんの発生母地にもなり得ます。NAFLD/NASH については、後述します。
当クリニックの大場院長は日本肝臓学会認定の「肝臓専門医」の資格を有していますので、ご自身の肝臓のことで何か心配なことがありましたら気軽に受診してください。
NAFLD/NASH 非アルコール性脂肪性肝疾患/非アルコール性脂肪肝炎
最近のトピックとして、アルコール性肝障害ではない、B型肝炎やC型肝炎のウイルス性肝疾患でもない、NAFLD(nonalcoholic fatty liver disease: 非アルコール性脂肪性肝疾患)/ NASH(nonalcoholic steatohepatitis: 非アルコール性脂肪肝炎)という新たな疾患概念の有病率が増えています。
これは、肥満人口の急増、生活習慣の変化による脂肪肝の方が増えてきているからです。ちなみに、国内の脂肪肝の罹患数は2千万人以上だといわれています。アルコール摂取量がほとんどない非飲酒者の脂肪肝を NAFLD (ナッフルディー) と呼び、その中の約1割に肝硬変や肝がん発生リスクの高い、いわゆる ‘危ない脂肪肝’ NASH (ナッシュ) が含まれています。
また、非進行性の NAFLD を非アルコール性脂肪肝 nonalcoholic fatty liver: NAFL (ナッフル) と呼びます。2020年には、NAFLDに代わる新しい疾患概念として「MAFLD (metabolic dysfunction-associated fatty liver disease)」が提唱されています。「非アルコール性 (nonalcoholic)」よりも「代謝機能異常 (metabolic dysfunction)」の方が、現代の生活習慣を反映しているからでしょう。
ご自身の肝臓のことで何か心配なことがありましたら、専門医のいる当クリニックを受診してください。
慢性肝炎・肝硬変
慢性肝炎や肝硬変は、肝がんや肝不全を引き起こす母地となる疾患群です。
これまで多くの患者さんは、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの感染背景がありましたが、昨今、肝臓病の診療は大きな変貌を遂げ、B型肝炎では新たな核酸アナログ製剤が登場することでウイルス制御が向上し、C型肝炎ではpan-genotype の直接型抗ウイルス薬(direct acting antiviral: DAA)が登場したことで、完全なウイルス排除も可能となっています。
ただし、肝がん発生リスクをゼロにすることはできませんので、慎重な経過観察が必要になってきます。肝硬変について、原因としてウイルス性肝炎、アルコール性、自己免疫性、胆汁うっ滞型などが挙げられますが、最近、前述した NASH が原因の、B型肝炎やC型肝炎でもない非B非Cの肝硬変、肝がんが増えています。肝臓の機能面で、無症状でまだ良好に保たれている代償性肝硬変なのか、あるいは肝不全に陥りやすい非代償性肝硬変かによってリスクや対応は異なってきます。もし肝硬変の背景から肝がんが発生したとしても、がんで命を落とすより、肝機能が悪くなって肝不全で命を落とすことも少なくありません。
肝硬変の多くは不可逆な病態であり、低栄養状態や筋力低下状態 ‘サルコペニア’ に対する多職種横断的ケアも含めた専門診療が必要です。
当クリニック院長は日本肝臓学会認定の「肝臓専門医」の資格を有していますので、ご自身の肝臓のことで何か心配なことがありましたら、専門医のいる当クリニックを受診してください。
胆石症・胆のうポリープ
「胆石」には、胆のう結石、総胆管結石、肝内結石があり、それぞれについて考え方や治療方針が異なります。
胆石症のリスク因子として、日本人の場合、教科書的には、中年、女性、肥満、多産、ホルモン剤服用などが挙げられます。ほかの関連因子では、脂質代謝異常、食生活習慣、急激なダイエット、胃切除後などです。
頻度の多い胆のう結石の場合、無症状で健診エコーで指摘されただけでは、手術の対象とはなりません。ただし、結石が原因で急性胆のう炎の発症リスクには注意が必要です。また胆のう壁が厚くなっている場合には手術を検討することもありますので、専門的なフォローアップはお任せください。
総胆管結石の場合、無症状でも胆管炎発症リスクが高いため、症状の有無によらず積極的な治療を検討します。
胆のうポリープについて、健診エコーで指摘されるケースは、良性のコレステロールポリープであることがほとんどです。
ただし、中には腺腫やがんなどの腫瘍性ポリープが紛れていることもあります。大きさや形態、経時的な変化などで癌化するリスクや手術適応を見極めますので、何か心配なことがありましたら、専門医のいる当クリニックを受診してください。
膵のう胞性疾患 IPMN(膵がんが心配)
膵のう胞疾患の多くは腫瘍性病変であることが多く、中でも頻度が多く専門的診療が必要な疾患は「膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN; intraductal papillary mucinous neoplasm)」です。
IPMN は経過観察中に癌化するリスクがあり、あるいは IPMN のある膵臓母地から膵がんが発生してくるリスクもあります。
のう胞性病変の径(サイズ)、主膵管の径(太さ)、のう胞内の結節病変有無、増大率、腫瘍マーカー CA19-9 値などを総合的に判断しながら、定期的な専門的フォローアップが必要になってくる良性疾患ですので、ご自身の膵臓のことで何か心配なことがありましたら、専門医のいる当クリニックを受診してください。
早期慢性膵炎
2016年の全国調査では、慢性膵炎患者は10年前より増加していて、男女比は男性優位(約 5:1)で、原因については男性ではアルコール性が79%、女性では55%が特発性と報告されていますが、女性のアルコール性も最近では増多しているようです。
アルコール性慢性膵炎の特徴は、膵石灰化、糖尿病、膵外分泌機能不全などの合併症も高率に認め、断酒できないと膵がん発生リスクが上昇します。本邦の指定難病に認定されている遺伝性膵炎が成因になっているケースも1.6%と稀にあり、PRSS1 変異やSPNK1 変異などが関与しているといわれています。
2019年に本邦の慢性膵炎診断基準が10年ぶりに改訂され、それに準じて総合的な診断プロセスが求められる一方で、巷の医療機関では主観のみで気軽に慢性膵炎と診断し、漫然と投薬治療を行っている粗悪な実態もあるようです。
「慢性膵炎」診断項目について、①特徴的な画像所見、②特徴的な組織所見、③反復する上腹部痛または背部痛、④血中または尿中膵酵素値の異常、⑤膵外分泌障害、⑥1日純エタノール換算で60g以上の持続する飲酒歴または膵炎関連遺伝子異常、⑦急性膵炎の既往、の7項目から構成された診断フローチャートがあります。
例えば「早期慢性膵炎」と診断するためのアプローチとしては、①、②のいずれも認めず、③から⑦のいずれか3項目以上と早期慢性膵炎の画像所見 (EUS/MRCP/ERCP) が認められるもの、となっています。
慢性膵炎について心配な方や他院の診断に納得のいかない方は、専門医のいる当クリニックを受診してください。
慢性便秘症
慢性便秘症に該当する主な症状を列挙します。
・排便回数が週に3回未満
・便が硬い、あるいは兎糞 (とふん) 状態
・一回の便の量が少ない
・残便感がありスッキリしない
・便を出してもお腹が張って気になる
・トイレで強くいきまないと便が出ない、いきみ過ぎて苦しい
便秘の定義は「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」(慢性便秘症診療ガイドライン2017より)のことです。大腸がんの存在や炎症性腸疾患などの器質的疾患が原因になっていないか、大腸内視鏡検査による鑑別は必要です。
一般的に慢性便秘は「機能性」のものを指し、満足のいく十分な量が出なくなった「排便回数減少型」と、トイレでいきんでもスムーズに便が出なくなった「排便困難型」に分けられます。
機能的な排便障害の場合、原因として「直腸知覚低下」と「機能性便排出障害」が挙げられ、病態に合った適切な便秘薬を正しく服用する必要があります。とりわけ高齢者の場合、便秘を訴えるベースとして、うつ病や心気症などの精神疾患が背景にあることも理解しておく必要があります。
ほかにも重要な基礎疾患は、自律神経障害を伴う糖尿病、甲状腺機能低下症、脳梗塞(脳血管障害)、パーキンソン病などです。向精神薬(抗精神病薬、抗うつ薬)や抗パーキンソン病薬、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬服を常用している方も慢性便秘の原因となります。
昨今、便秘治療はかなり進歩していますので、慢性便秘症でお悩みの方や漫然とした便秘薬処方で満足が得られていない方は、専門医のいる当クリニックを受診してください。
肛門疾患
痔核(ぢ)は、その部位により内痔核と外痔核に分類されます。主な症状は痛み、腫れ、出血、痒み、脱出などです。出血内容によっては、大腸がんのリスクも無視できないので、大腸内視鏡検査が必要になってきます。脱出症状は通常、内痔核が肛門管の外へ脱出する状態のことを指し、排便時や力が入っていきんだ時に生じます。
痔核と鑑別を要する疾患として、裂肛、粘膜脱、直腸脱、直腸がん、肛門管がんなどが挙げられます。

消化器内科・外科(がん)の予約

ご予約に関する注意事項

*この予約はリクエスト予約となります。クリニックでご希望の予約日時を確認後、予約可否をお知らせいたします。
*内視鏡検査の直前(3日以内)キャンセルは、キャンセル料3,000円がかかります。
*初診時より処方のみの診療は行っておりません。
*発熱や感冒症状、急性期の嘔吐・下痢を認める方のご来院はご遠慮ください。
*抗がん剤治療を受けられる患者さんへのご配慮のほどよろしくお願いいたします。

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