国内で一年間に膵がんと診断される患者数が4万2000人以上であるのに対し、死亡数は3万6000人ほどです。それぞれの間に大きな差がないのは、いかに難治性であるかを物語っています。そもそも膵臓自体に焦点をあてて検査される機会がほとんどないため、どうしても症状が出現してからの“後手の発見”になってしまうもどかしさがあります。膵がんのこれまでの不良な治療成績をみれば、もはや手術のみで完結しないことの方が多いといえます。したがって、治癒を願うならば手術は一発勝負であり、手術クオリティの高い膵臓外科医の存在は大前提であるのはもちろんのこと、再発リスクを抑えるためには、抗がん剤治療 (化学療法) が手術の前にも後にも必須であり、そこが疎かにされたり、片手間で抗がん剤治療が施されたりするような医療施設は選ばない方が得策でしょう。
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消化器内科・外科(がん)